最近、農業界でよく耳にするようになった「バイオスティミュラント」
以前の記事で軽く触れましたが、今回はもう少し詳細に解説記事を書きたいと思います
バイオスティミュラントの定義とは?
どのような資材をバイオスティミュラントと呼ぶのでしょうか?
日本バイオスティミュラント協議会では、『非生物的ストレス』を緩和する資材として定義されています
非生物的ストレスとは
・日照不足
・高温/低温ストレス
・塩類障害
・低栄養条件
など植物が物理化学的に受けるストレスを指します
また、バイオスティミュラント(=Bio:生物、Stimurant:刺激/活性)を意味しており、生物刺激剤、生物活性剤などと訳されます
どんな資材があるのか?
大まかに分けて6種類あります
・腐植酸資材
・海藻抽出物多糖類
・アミノ酸/ペプチド
・ミネラル/ビタミン
・微生物
・その他(動植物抽出物/微生物代謝物など)
資材の元になる原料でカテゴリーが分かれており、その効果は一部で重複します
引用:スマートアグリ
効果を整理した図が以下ですが、
ストレス耐性の付与ですと腐植酸、海藻、アミノ酸、その他のカテゴリーの資材で効果が確認されているものがあります
ストレスの種類によって使用すべき資材が異なることを考えるとさらに細分化されそうです
手ごろな価格帯ですとアイアグリ株式会社が販売しているAGシリーズが人気のようです
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本当に効果があるのか?
仕事や個人で実験してみた感じだと全体的に作物の生育を底上げするような感触です
ストレスをかけた際に10~20%くらい生育量が改善したり、収量が上がる感じでしょうか(生産している方からしたら10~20%収量あがったら凄いことです)
ただ、例数は少ないですが劇的に生育が改善されるケースも目にしていますので、ストレスの種類と資材の種類、作物の種類が上手くハマるとバキバキに効果を実感できることもあります
エビデンス(証拠)のない資材にはご注意
バイオスティミュラント資材は意外と高価なものが多いです
希釈して使用するにしても、農業資材の中ではそれなりのお値段がするので、以下の事項をチェックして可能であれば無料サンプルから試すのがオススメです
1. 栽培する作物(資材で使用例があるか)
2. 生育が悪いと思われる条件の確認(環境ストレス・病害虫・栄養不足等)
3. 資材効果のエビデンス(証拠)とその例数
特に3のエビデンス(証拠)を見る際のポイントとしては
・自社データ以外でデータを評価しているか(他の機関が評価しているか)
→自社のチャンピオンデータだけで資材効果を過剰演出していないか、客観的な評価が出来ているかが重要です
・何の作物で効果があったのか
→自身で作っている作物で効果が実証されているかは重要です 作物によって生理・生態は異なります
・どこの場所で効果があったのか
→気象条件は作物の生育に大きく関係しますので、実証した場所と近ければ効果が得やすいでしょう
・どのようなストレスに対して効きそうなのか
→作物がダメージを受けている(と思われる)原因と資材効果が合致しているか
以上のように安易に手を出してもなかなか効果を実感しにくいケースが多いので、高価な資材に手を出す際には少し考えてみる必要があるかもしれません