農業LABブログ

なんとなく勉強した感じになるブログ

【解説】ネコブセンチュウ(種類、分布)を理解して対策に役立てる!

世界、日本で最も多いのがネコブセンチュウによる被害です

今回はネコブセンチュウについての詳細を書いていこうと思います

 

植物寄生性線虫の概要については以下の記事にまとめてあります

ppn-lab.hatenablog.com

 

 

 

 

 

ネコブセンチュウの種類

農薬の適用表には『ネコブセンチュウ』としか表記されませんが、ネコブセンチュウには種類があります

種類が重要になるのは栽培する作物や緑肥を選定する際です

種類があるということ、それによって作物や緑肥の適否が変わるというのが重要です

主に日本に分布している種類を挙げると以下に解説する種類になります

サツマイモネコブセンチュウ

学名:Meloidogyne incognita(メロイドギネ インコグニタ 以下、Mi)

本州~沖縄まで広く分布しており、過去の研究にて国内で最も検出率が高い種です

(参考:https://www.naro.go.jp/project/results/laboratory/narc/1994/narc94-b002.html

また、北海道においても本種は検出されています(水越, 2004 北海道におけるサツマイモネコブセンチュウのトマト抵抗性品種打破個体群の出現)

世界的な線虫被害においてもMiは重要種です

また、作物への寄生性を分類する「レース」という単位において、1~4の類別がされており、タバコやワタへの寄生可否によってレースが割り当てられています

また、Miのいずれのレースでもトマト・ピーマン・スイカに寄生しますが、ラッカセイへの寄生・増殖は今のところ認められていません

 

アレナリアネコブセンチュウ

学名:Meloidogyne arenaria(メロイドギネ アレナリア 以下、Ma)

本州~沖縄まで広く分布しており、過去の研究にてMiに次いで検出率が高い種です

本州での検出が多く、数は少ないですが四国や九州、沖縄でも検出されています

レースについては1~2があり、Maもトマトやスイカに寄生しますが、ピーマン・ラッカセイへの寄生可否でレースが変わります

 

キタネコブセンチュウ

学名:Meloidogyne hapla(メロイドギネ ハプラ 以下、Mh)

沖縄以外の本州、四国、九州に分布している種です

現在のところ、Mhにレースは確認されておらず、本種の特徴としてスイカに寄生せず、ラッカセイには寄生するという点があります

 

ジャワネコブセンチュウ

学名:学名:Meloidogyne javanica(メロイドギネ ジャワニカ 以下、Mj)

主な分布は沖縄です

本州での検出例はあるものの、検出率は低く四国・九州では検出されていません

レースも今のところ確認されておらず、ピーマンやラッカセイへの寄生・繁殖は認められていません

 

日本におけるネコブセンチュウの分布

簡略的に図で示すと以下の通りです

日本を見渡すとMi(サツマイモネコブセンチュウ)が全国的に発生しています

本州ではMj(ジャワネコブセンチュウ)以外が主に分布しており、MiかMa(アレナリアネコブセンチュウ)が主要なネコブセンチュウ種であり、次いでMh(キタネコブセンチュウ)が分布、Mjについては検出例が少ない状況です

 

線虫対策の薬剤は以下から↓