今回はサツマイモ基腐病についての記事です
まだクリティカルな対策はありませんが、登録農薬が増えたのでリライトします
発生と拡大傾向
昨年までは九州のみで発生が確認されていたサツマイモ基腐病(もとぐされびょう)ですが、今年になって関東全域にまで広がりを見せています
昨年、報告が上がってきて、「九州では変な病気が流行ってるな~」と対岸の火事として呑気にみていた方が多かったと思います
恐らく、全国の産地に広がる病気なのではないでしょうか
2023年の1月の段階では北海道から沖縄の30都道府県で発生しているようです
症状と原因
症状としては葉が繁茂する時期に株元が褐変・黒変してイモの品質・収量が低下するという被害が生じます
原因菌は特定されており、カビの一種(Diaporthe destruens、ディアポルテ・ディストルエンス)です
柑橘や大豆の黒点病の原因菌に近縁の種類ですが、サツマイモでは今まで報告されていなかった症状です
実際に初発レポートが出たのが2021年1月なので非常に新しい病気ということが分かります
引用元
防除対策
農薬
・ベンレート水和剤
・トリフミン水和剤
苗の消毒は徹底すべきで最も効果が得られます
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圃場での予防的な散布
効果がいまいちな印象でデータを見ると完全には被害が止められないことが分かります
あと、アミスターは薬害が出やすいので混用や展着剤含めて散布する際は少し気に留めておく必要があります
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・フロンサイドSC、フロンサイド粉剤、フリントフロアブル25
圃場での予防的な散布
フリントフロアブルはアミスターと同系統なので連用してはいけません
耐性菌の発生予防に努めましょう
[rakuten:otentosan:10008267:detail]
[rakuten:nou-nou:10003215:detail]
この他に土壌消毒のデータも出ていましたが、完ぺきには抑えられません
カビなので胞子や耐久態がしつこく残るようです
品種の選定
品種の間で原因菌に対する抵抗性が違うことが報告されています
こちらもメインの対策にはならないと思いますが、使用している品種によってどのくらいリスクがあるのかは認識しておく必要があるでしょう
基本的には圃場への新規持ち込みを抑えるためにウイルスフリー苗が推奨されます
引用:サツマイモ基腐病防除対策マニュアル(第2版)
基腐病の悲しさ
水田転換畑の作物としてサツマイモが検討され続けてきた中での本病害の発生
ネコブセンチュウや病害虫を水田湛水で消毒できると言うメリットがありながら、難防除の病害が発生するとは...
これからクリティカルな対策が出ることを祈っています