色々な作物に寄生しては問題を起こすネコブセンチュウ
以前、ある地域を調査した時はだいたい調査した畑の半分から検出されました
(そして畑の持ち主はあまり自覚がなかった...)
地味に収穫を減らしたり、ある時は激発して全滅に追いやられたり、土壌病害が出やすくなったりと困りごとを運んでくるネコブセンチュウ
そんなネコブセンチュウが自分の畑に入ってるかどうかを知るのは、専門機関に依頼しないと分からないと思っていませんか?
実は栽培しながら分かるセルフ診断方法があります
今回はその方法について書いていきますので、不要な土壌消毒を止めて土とお財布に優しい土壌管理をしましょう
セルフ診断の基本
基本は自分のところの畑で栽培している作物の根っこを掘り出せば分かります
ただし、掘り出して観察するのは細根が主体です
太い主根にも寄生しますが、どちらかというと細根に寄生していることが多いです
このため、掘り出す時は株の根元からスコップで土の塊ごと起こすイメージでやると細根も切れずに観察できます
↓この写真は透明容器でネコブセンチュウに寄生させたものを撮影しています
見ると分かりますが比較的細い根に寄生しているのが分かります
セルフ診断に適する作物と時期
畑で違う作物を作っていても、畑の隅っこで少しだけ栽培するか、畑の土をプランターに入れて種を蒔いて育て、観察すればネコブセンチュウがいるか/いないか が分かります
観察に適する作物としては、
- ミニトマト(品種:プリッツ):よく寄生する
- きゅうり(品種:なんでも):大体の品種はよく寄生する
- ニンジン(品種:長系の品種):短系の品種よりよく寄生する
- えだまめ(品種:早生品種):晩生だと株が大きいので掘り出すのが大変
逆に適さない作物例としては
- 落花生:多くのネコブセンチュウに抵抗性がある
- トマト(品種:抵抗性品種):弱~強まで抵抗性が付与されていることがある
- ミニトマト(品種:抵抗性品種):弱~強まで抵抗性が付与されていることがある
- ニンジン(品種:短系の品種):ネコブが出来にくい
また、栽培時期も大事で春から夏の間に栽培を始めて観察するのが良いです
これはネコブセンチュウの活性が温度の高い時期に同時に高くなるので、
セルフ診断の結果がリスクの高い側で評価できることになります
ちょっとした工夫で楽に何回も観察
株を掘り起こす方法だと一回しか観察できないので、
苗を植えると同時に、苗のすぐ横にお酒の一升瓶を植えておきます
そうすると一升瓶の周りに根が張りますので、わざわざ掘り起こさなくても細根を何回も観察することが出来ます
↓下のイラストみたいな感じですね(手抜きですいません)
観察にはライト付きのルーペかマクロ撮影できるカメラがあると便利です
↓私も持ってますが、個人的にはこのメガネ型のがかっこよくて好きです( ´∀` )
栽培する時期と作物を固定すれば被害が大きくなってるか分かる
毎年同じように栽培と観察をしていけば被害が大きくなりつつあるか分かります
教科書的には下の表のように被害度の階級値が設定されていますので、メモで階級値を、写真で状況記録を取っておくと年々の被害が拡大傾向にあるのかが分かります
【おまけ】ネコブセンチュウのクネクネ動画
ネコブセンチュウ自体を見たい方はTwitterに動画を投稿してますので、見てみてください クネクネ動画です💃
これがネコブセンチュウ
— PPN LAB (@agri_soil_nema) 2021年11月22日
体のシマシマは貯蔵養分の脂肪球を消耗した結果です
動きは遅く、ぬるぬる動きます😉#農業#新規就農#ファインダー越しのわたしの世界 pic.twitter.com/Pm7AwZkgwK