今年から借りてる家庭菜園の畑を線虫診断してみました
結論:2種類の有害線虫が侵入済みでした_(:3 」∠ )_
線虫診断の手順
土壌の採取
栽培してる作物の株間から50gくらい土を採取してジップロックに入れます
土の表面5cmくらいは乾湿の差が大きく線虫がいたりいなかったりするので、除けて大体いつも湿り気のある層を採取します
雨の後は線虫が下層に流されている可能性があるので、降雨後24時間は採取しないようにしましょう
今回はネギの株間から土を採取しました
↓移植用のコテは垂直方向に土が取れて良いかなと思います
線虫の抽出
線虫はベルマン法という操作で抽出します
土を10-20gティッシュペーパーにくるんで
茶こし・漏斗・シリコンチューブ・1.5mlチューブを組み合わせたものの中に水道水を満たしてティッシュペーパーで包んだ土を浸すだけ
あとはラップをかけて2-3日放置します
↓図解だとこんな感じです
引用:Approaches to Studying Soil Fauna and Its Functional Roles (Chapter 3) - Soil Fauna Assemblages
↓実際の抽出状況はこんな感じ
大体100均の商品で材料は揃います
↓100均やホームセンターで揃わない材料は通販で買えます
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顕微鏡観察
生物顕微鏡で観察します
見分けはある程度プロの技ですが、大体2-3ヶ月見続けてると特徴から違いが分かり、10年くらいやってると犬・猫くらいの違いで見分けられます
↓機材はこんな感じですかね
線虫の特徴を見分けるのに市販の本も購入したりしてますが、以下のURLリンクのPDFが写真付きで主要な線虫の写真を載せてくれてるので、図鑑や書籍の購入は必要ありません 色々な実験法も載せてくれてるのでオススメです٩(๑′∀ ‵๑)۶
診断結果
4サンプル分析してどのサンプルにもネグサレセンチュウ、ネコブセンチュウが検出されました 密度にばらつきはあるけど、どこにでもいるんだろうな...
図 筆者家庭菜園から検出された線虫種とその密度(平均値±標準偏差, n=4)
ネグサレセンチュウは1-2頭/20gいたら大根ですと防除水準
ネコブセンチュウは3-10頭/20gいたらきゅうりやピーマンだと防除水準
です(確かそうだったと記憶してます...)
↓検出されたネグサレセンチュウ
家庭菜園から活きのいいネグサレセンチュウが採れました(※害虫です)
— PPN LAB (@agri_soil_nema) 2021年12月4日
ブログに診断結果を載せるので、興味があれば覗いてみてください| ˙꒳˙)チラリンチョ#農業#家庭菜園#科学#サイエンス#新規就農 pic.twitter.com/fKjJzZQYpe
↓都道府県が害虫の防除水準を設定している場合があるのでご参考に
お仕事でやるとこの後に対策方法の作成が入るのですが、どうせいるなら増やして実験でもしようかなと思案中です まさか借りた畑が複数種の混発圃場だとは...
後日談
隣接したところにミニトマト植えてたなぁと思って、ちょうど霜でやられたので根を掘り返してみました
↓見事にネコブセンチュウにやられてコブが出来てました
夏にオクラとエダマメも植えたのですが、生育初期で枯死しました
定植のストレスかなぁ?と思ってたのですが
もしかしたら、ネコブセンチュウとネグサレセンチュウにやられてしまったのかも
せっかくなので眉唾な線虫対策資材の実験でもしますかね
↓根の撮影は相棒のTG-5の深度合成モードで撮影してます