ちょっと前に農業+太陽光発電=ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)が流行ったけど、最近あまり聞かないなぁと思って調べてみました
最近の状況
良いニュースも悪いニュースもあるのが現状です
エネルギー事業大手の出光興産が実証事業段階ですが参入してきています
海外で営農型太陽光発電が注目を集めていることも考えると日本発の技術としての価値は高いように思います
その裏では営農型太陽光発電コンサルの会社が倒産しています
一部では資材費の高騰が原因と言われていますが、預託法の改正がクリーンヒットして主業の継続困難による倒産との見方が強いです
消費者を守るための法改正とはいえ新しい事業領域を潰してしまったのも事実なので、法規制とビジネスの関係からもなかなか新しい展開が難しい領域のようです
結局、売電・自家消費 どれがお得なの?
世の中いろいろ動きがあるけど、結局のところ発電したら儲かるの?が重要です
農林水産省が発行しているガイドブック記載のデータと現状の売電価格・電気料金から計算してみました
あくまで発電だけで作物の収穫量減少などは考慮していません
売電パターン
太陽光パネルの法定耐用年数17年を考えると売電での収益を得るのは難しそうな印象です
メーカーの出力保証が仮に25年付いたとしても売電だけで収益を取れるのはギリギリ
また、売電にも一部制限がついて30%の自家消費が必要であったり、要件を満たせば全量売電できるなど色々と複雑な状況です
自家消費パターン
昨今の電気料金の引き上げもあって自家消費パターンの方が圧倒的にパフォーマンスが良い状況です
電気料金単価が現在の1/3程度まで引き下げ or FIT価格の引き上げがない限り自家消費のパフォーマンスが良いです
基本はハウス栽培での暖房などの自家消費に回して余剰分を売電に回すのが早期の費用回収には理想かなと思います
ソーラーシェアリングの課題と可能性
とはいえ、まだまだ導入を推進しているのも事実でありまして課題が出てきているようです
簡単にまとめますと
✓ 不適切事例(規定収量確保が出来ていない事例)の散見
✓ FIT(固定買い取り制度)での売電価格の低下
✓ 資材費・工事費の高騰
のように取り巻く環境(規制や価格面でのベネフィット)はあまりよろしくないようです
しかし、まだ未知数であるCO2排出量取引(J-クレジット)などの炭素固定を組み込めると収益性が上がるので、どんどん農地が自動で稼いでくれるオプション制度を増やしてもらえると広い意味で農業に携わる人が増えると思われます
日本農業復興は世界的マネーゲームによって為されるのかも知れません。。。