だいぶ昔に農地のカドミウム問題が取りざたされていましたが、これらの問題はどうなったのでしょうか?
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農地のカドミウム問題とは?
国際的な食品中の汚染物質に対して規格を作成する委員会=CODEX(コーデックス)がコメ中のカドミウム濃度について基準値を設けると言い出したのが事の発端です
そんなもの無視すれば良いじゃない?
と思いますが、OECD加盟国はCODEXで決まったことを遵守するのがルールとなっており、日本だけが無視すると貿易などで干されることになってしまいます
ちなみに日本は年間で30~50億円程度のコメを海外に輸出しているので、関連団体としてはコメの輸出量が減ったら大打撃です
基準値づくりが始まり、各国色々な思惑が交錯する中でコメの基準値案として0.1mg/kgという値が出てきます
この値に日本は慌てます、
「この基準値を適用されたら国内の10%のコメが事故米扱いになってしまう!」
「今まで食べてたって平均寿命はのびてるのに、そんなのおかしいよ!」
ここから基準値をめぐってさらに議論が進み、すったもんだあって基準値は
0.4mg/kgまで許容されるようになりました 良かった良かった!
(本当に良かったのか?)
畑のカドミウム問題
さて、コメのカドミウム問題をどうにクリアした日本ですが、今度は野菜(畑作物)のカドミウム問題にいきあたります
ちなみに畑のように乾いた土で作物がカドミウムをよく吸収します
こちらもCODEXの原案が示され、日本も国内調査をしてきましたが意外と高い値がでたのでビックリです
当時、朝日新聞が国際基準を超過した野菜があることをすっぱ抜いて、環境省は少し炎上しました(現在は環境省のHPで野菜中のカドミウム濃度に関するデータが閲覧できます)
話が逸れましたが、その後基準値の国内適用をどうしたかというと、
「日本人のカドミウム摂取量は低いから大丈夫!」
という、良くわからない結論に達しました
そもそもCODEXの建前としては世界的な健康リスク低減のために基準値を設定してるのに、国内のことだけ考えて基準値を設定しないのはアリなんだろうか?
日本の輸出入や国民の健康に問題はないのか?
ここからは私見です
国内で生産した野菜で基準値を超過した野菜を受け入れてくれる国は限られるでしょう 日本以外の基準値を設定した国では事故作物扱いになってしまいますからね
また、国内基準値を設定しないということは、輸入する際に基準値の超過を理由に輸入作物を断れないことにもなります
今は摂取量に問題がなくとも、いつまで国内のことだけを考えて基準値の設定を見送れるのでしょうか?
継続的にカドミウムの摂取量は調査するようですが、国内基準値の設定を先送りにしているだけとも取れます
さて、今後の見直し時期にどのように対応していくのか、非常に難しい問題なので色々と議論が紛糾しそうです
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